福岡と東京を拠点に活動しているので、そのエリアにお住まいでない方
は、わざわざ此処までご相談に来ていただくことになります。
本当に申し訳なく思うのですが、来ていただく方は、こちらのそんな思
いとは関係なしに、いい家を建てたい、此処ならそれに応えてくれるに
違いないという期待に満ちた眼差しでいらっしゃることが多いのです。
岐阜県関市で建てたこの家の建て主さん(I様)は、東京までご相談に来
ていただきました。もう数年も前のことになります。
完成した家には宿泊もさせていただきました。
ちょうど雪が舞っていて、しかもこの家、家の片側に屋外を取り込むデ
ザインになっていたので、写真の土間部分に雪が積もっていました。
一般の住宅しか見たことのない方には、驚きの光景だと思います。
目から鱗に違いありません。
土間には雪も積もるのですが、その左手の木製の引き戸で屋外からの熱
や雨風の侵入を防ぐことになり、一般のアルミや樹脂のサッシに比べた
ら気密も断熱もその性能はグンと落ちてしまいます。
建て主さんにはそのことをお伝えし、十分にご承知いただいて上での空
間デザインです。一見してそれは大変な非常識なのですが、それでも五
感が自然を感じる、木の質感に癒されたいという建て主さんの思いが勝
ることがあるのです。
そこには心の動きがあります。葛藤もあれば覚悟も生まれるはずです。
よく話し合わないと後で夫婦喧嘩の火種になることだってあります。
それでも、そんな自分たちの思いを反映した家を建てたいという方がご
相談にいらっしゃるのです。
そして、こんな生活の場が誕生します。
なぜわざわざ、時には遠路はるばる、こんな一見して面倒臭そうな家を
作るためにご相談にいらっしゃるのでしょうか?
それは、人生を変える家を建てたいと考えていらっしゃるからではない
のかと考えるようになりました。
せっかく自分たちの家を建てるのならば、本当に自分たちの思いを反映
した家を建て、どこにでもあるような空間ではなく、自分たちにピッタ
リなサイズで人生の物差しにかなった暮らしを豊かに満喫したい。そう
することで、社会から一方的に割り当てられたサイズから自分たちを解
放し、人生を自分たちで感じた正しい方向へ変えていこうとしているの
ではないか。そう思えてならないのです。
つまりは既成概念からの解放と自己変革。大袈裟かもしれませんが、そ
う感じるのです。
どうでしょう? この開放感。自然と暮らしが一体化してそこにある感
覚。無垢な木に包まれた安心感。不思議な空間配置に身を置くことの愉
快な気分。モダンだけれど和の生活様式も採用した土着感。
美味しい夕飯をいただき、気持ちのいい風呂にも入り、離れのような和
室に泊まらせていただきました。よく眠れました。
人生を変える家に感謝感謝です。
● 「 関の家 」
設計/渡辺ガク
コーディネート/プロトハウス事務局
● 戸建住宅の新築やリフォーム、マンションリノベーション、クリニック、shopなどのご相談は
プロトハウスまでお気軽にお問い合わせください

0120-2610-83
coa@protohouse.net


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※家づくりで実際に起こったコワーイ話しを紹介するとともに、そのようなことにならないような具体的なアドバイスを記載。とっても読みやすく、これから家を建てようかな?と思っている方にはぜひお勧めの一冊です☆
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