ステッドサンスとはデンマーク語で『場所の感覚』という意味があります。
日々の瞬間、瞬間に、私たちはそれを感じているのではないでしょうか。
この日も、海岸線をドライブしていたとき、ある日の記憶に誘われるようにハンドルを切り小さな漁港の方へと車を走らせたのです。
記憶の中にあったのは、たぶん〝石造りの鳥居〟だと思うのですが、判然としません。
何かが降りてきて、ハンドルを持つ私の手の甲にその掌を重ねたのだと思います。
ステッドサンスを感じる直前には、この〝何かが降りてくる感覚〟がよくあるように思います。
漁港を抜けて車を走らせ、視界が広がる方へと車を走らせていくと、私たちはこの海岸へと辿り着きました。
子どもたちがまだ幼かった頃、〝プライベートビーチ〟と呼んで、家族でよくバーベキューや海釣りをしていた静かな海岸です。
糸島へ来るようになってから、折につけもう何年も探していたのに見つからなかった思い出の場所。
それが今、目の前に広がっていたのです。
「やっと見つけてくれたね、元気そうじゃないか!」
青い海面を見ていると、そんな声が海風に乗って聞こえたように思います。
まるでタイムスリップしたようです。
この砂浜にテントを張って陽射しを遮ったちっちゃな基地をつくり、そこで休み休み、ゴムボートを浮かべて子どもたちを泳がせたり、投げ釣りをしてキスを狙ったり、
海の中に胸までつかって足先で砂を掘って蛤を獲ったり・・・・・・。
防波堤の手前に車を停めて砂浜へと降りていく瞬間、瞬間にその記憶がありありと蘇ってきました。
そう、この場所の持つ感覚を私はずっと心のどこかで抱えていたのです。
そこに在るのは、『場所の持つ感覚』。
これもまたステッドサンスなのだと思います。
私たちは、日々、こんな風にさまざまなステッドサンスを味わい、確かな記憶の中に刻みながら暮らしているのではないでしょうか。
住まいという〝人生を変える最高の道具〟をデザインしている私たちは、住まいという空間もまた、ステッドサンスを形成するとても大切なファクターなのだと感じています。
そこでどんな感覚が人の中に宿るのか?
そこでは、光や風、土、火といった自然の現象がどのような役割を果たすのだろうか?
それを想像するとき、デザインという意図的な活動の影響力の大きさを感じます。
その土地ならではの空気、陽射しの落ち方、土の匂いや根付いている植物、そこに植っている樹木やその陰、その集落に暮らしている人々。聞こえてくる声や音の数々。
そのすべてがステッドサンスを形作っていくのではないでしょうか。
プロトハウス事務局代表 桑原あきら
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