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プロトハウス通信 - Stedsans[ステッドサンス]-

プロトハウス事務局から贈る〝住まいは人生を変える最高の道具〟というメッセージ。 


by protohouse
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物事を〝ちっちゃくして〟考えよう!

_____________ちっちゃい!______________


・・・・・由布の森に建てた、ちっちゃいのに広い!魔法のスモールキャビンCOYAKICHI。・・・・・

・・・・・そんなちっちゃな小宇宙に暮らす、僕と家族、そして森の住人たちの12ヶ月。 ・・・・・・


9月2日

すべてはこの六坪ハウスからはじまった。

このちっちゃな百分の一の模型は段ボールでできたペーパーハウスだ。

両面印刷した段ボールのパーツを指で押し出して壁や屋根を取り出し、

それをスチレン糊でくっつけると完成するという、プラモデルのような仕組みだ。

二階建てになっていて、一階がLDKと浴室。2階に寝室を置いた。

段ボール印刷専門の会社に依頼してつくったのだが、両面印刷がずれない

ようにして印刷するのが難しかったと聞いた。

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霧に包まれた由布の森の現場にて、此処に至るまでの経緯に思いをはせる。

時折小雨の降る森では、今日も小鳥たちの鳴き声がすべてを癒すように美しく響いていた。

物事を〝ちっちゃくして〟考えよう!_e0029115_08325147.jpg

百分の一の模型は、百分の一の図面を元にしてつくる。

一メートルが一センチ、80センチは8ミリという具合に、すべてが百分の一になる

から図面も描きやすく、頭の中で理解しやすい。

というわけで、メーターモジュールで図面を描く僕は、まず最初に百分の一で

図面を描くようにしている。

想像してみよう。

自宅に二メートル幅のソファがあるとする。

それを図面に落とせば、ソファの幅は二センチとして描かれる。


百分の一に縮小すると見えてくるものがある。

ノートのちっちゃなスペースに描くことができるので、かなりの余白が生まれ、

他に大切なものや、全体像が見えてくる。

全体像が見えると、その力関係、つまりバランスがいいのかどうかが見えてくる。

バランスはセンスだ。自分のセンスが見えてくると、向上心がアップする。

なるほど、この大きさがあればこんなことが可能になるなあ、と想像力も増してゆく。

百分の一の俯瞰できる世界は、想像力を刺激して楽しい。


この『百分の一思考』から、月末スープの家が〝リアルに〟誕生した。

居住性を兼ね備えた(これが僕が最も大切にするポイントだ!)5.5坪のミニマムハウスを

デザインして「めちゃカワイイ!」と自画自賛していたら、不思議なことに、

このプランを建てたいというHさんが登場してきた。

引き寄せ? 偶然の一致? 

まさに、リアルのスタートだった。


畑を耕し、立ち寄る人と季節を語らい、花を愛で、食事をつくり、余った野菜をとっておき、

月末に一度、ご近所のお年寄りのためにスープをこしらえて届ける暮らしを実践するHさんのための家。

だから、月末スープの家と命名した。

物事を〝ちっちゃくして〟考えよう!_e0029115_08374747.jpg
今年の3月に見学会も行い、見学いただいた大勢の方から

「ちっちゃいのに広いですね〜」というお言葉をいただいた。

これで勇気をもらった。これでいいんだ。このニーズは確かにある! 

自己肯定感が飛躍的に倍増したのである。


Hさんを見ていると、世の中のすべてが大したことではない、という感覚を覚える。

食べるものも、着るものもすべて自分で手作りするこの人は、自分の領分を守りながらも、

常に人への気遣いを忘れることがない。

それは、一切の気負いを捨てた諸行無常の感覚なのかもしれない。

人生、これでいいのだ、と思えてくるのである。


二地域居住の時代が本格化すると言われている。

そのようなデータもあるが、実感として、その時代がはじまっていることを痛感している。

ヒートアイランド化した都会に暮らしていると、いつも息苦しい。

自然環境との接し方もギスギスしがちな人間関係も、すべてが息苦しく〝快適な牢屋〟に

自らを閉じ込めている自分自身を呪いたくなることさえある。


自分を呪う一方で、一つの出口が見えてくる。

二地域居住による田舎暮らし、自然への脱出、自己の解放だ。

大したことはない。気軽にちっちゃくはじめればいい。すべてを『百分の一』に縮小して、

世界全体をジオラマのように見渡し、その人間関係も、思惑も、目標や目的も、相対的に見れば

自分の住む世界はなんとちっちゃいことか、世界は広いぞ! という思いの頂きに立つ。


『百分の一思考』を心がけると、客観視力がアップする。

世界が小さく見える。世界の無限の大きさに気づく。

ちっちゃいは、楽しい。

ちっちゃいは、カワイイ。

ちっちゃいは、可能性にあふれている。

ちっちゃいは、新しい視点なのだ。


建築中のスモールキャビン「コヤキチ」の現場で、そんな思いをさらに強くした。

このコヤキチでは、ちっちゃいからこそ、自分の思うような自然素材や木製サッシ、

造作キッチン、理想のダブル透湿断熱も実現できた。

つまり、余計な物をすべて省いた『ちっちゃい』は、コストパフォーマンスに優れているとも言える。

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大切なことが、もう一つ。

小は大を兼ねる、というイマジネーションだ。


日本人が生み出したミニマムな茶室空間に

小宇宙が宿ることを想像してほしい。



                                     ( 桑原あきら )



『ちっちゃい!』はノートにて連載していきます。そのチャレンジをご支援ください!


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by norikon23 | 2022-09-05 08:44 | プロジェクト