キッチンとアート
2022年 10月 08日
この日は、マンションリノベーションを希望される建主さんと共にキッチンメーカーへ。
数社のシステムキッチンをご覧になっているということだったので、
いろんな視点があることを体験していただける場所へご案内することにした。
無垢材を使って造作キッチンを製作する会社(リブレさん)と、
シンク製作とキッチンパーツの卸を扱う商社のショールーム(トヨウラさん)へ伺ったのだ。

オーダーキッチンを見たことのない方は、きっと驚かれるに違いない。
トヨウラさんに展示のあるこれなんか、3方向から使えるキッチンシンクだ。
親世帯とその子世帯、そして孫たちが、3方向からキッチンを囲んで食事をつくる未来が
ここから見えてくる! 楽しくないはずがない!!

こちらは、設置当初のウォールナットが数年後には、こんな色合いになるという実物サンプル。
リブレさんで見せていただいた。
へえ~、こんな風に色が変わるんだ~、と建主さんも、我々も目を丸くする。
毎日が新しい発見と学びの連続。だから、ワクワクが止まらない。



いずれも、もう何年もお付き合いのある会社で、
担当者はそれぞれ、キッチンのエキスパートばかり。
我々にとっても、キッチン道の教えを乞う師匠のような存在!
ただただその知識と経験の豊かさに驚き、
それを教えていただく一瞬一瞬に、感謝するのみである。
キッチン見学を終えたあとは、すぐ近くのホテルオークラで開催されていた
アジアアートフェスティバルに伺った。
このフェスを中心になって運営しているギャラリーモリタさんから案内がきていたのである。
去年はコロナの影響で開催場所が変更されていたが、今年はこちらで開催されたとあって、オークラの1フロアは
あふれんばかりの来場者だった。
森田さんに挨拶して、馴染みのあるギャラリーに顔を出す。
3年前に購入したことのあるアーティストの作品を見て、その価値がアップしているのを発見。嬉しくなって、ちょっと興奮した! 自分たちの目で選んだアーティストが世界から
評価されるのって、なんだかとてもワクワクする。
そう言えば、キッチンも同じかもしれない、とふと思う。
素晴らしいキッチンはアートに近いのかもな、と直感したのだ。
いいキッチンは、いつも住まいの中心にあって、使う人を勇気づけたり、気持ちよくしたりする。
今日はどんな料理をつくるの? その新しいメニューいいね! こんな使い方もできるよ!
と日々、語りかけてくるのである。
同じように、壁に飾られた一枚の絵画も、今日は何する? その洋服似合ってるね!
さあ、今この日を存分に楽しもう! と話しかけてくるようだ。
キッチンもアートも、人が生み出したモノだ。
そこには、さまざまな自由な発想があり、いろんな人の手が動き、すこしずつ形が生まれ、
そしてある瞬間の出会いがあって、自分たちのもとにやってくる。
すべては、つながっている。
心が、自由な未来を受け入れれば、そのつながりが見えてくるように思う。
今回の建主さんは、多忙な仕事が少しだけ一段落した方である。
次の人生の舞台を、マンションリノベーションでつくりあげたい、という明確なビジョンを
持っていらっしゃる。「こうあるべき」ではなく、「何ができる?」という好奇心の目で
ディスカッションにご参加いただいている。
「フェスは明日までやってますから、良かったら行かれませんか?」と投げかけると、
「ええ、明日、伺います!」と素敵な笑顔が返ってきた。
(桑原あきら)



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