魅せる夜景
2022年 12月 19日
夜の家は、闇に浮かび上がった舞台だ。
観客は外に居て、舞台とそこで過ごす役者たちを、その界隈の一瞬の風景物語としてとらえる。

この場合、デザイナーは舞台監督になる。
大切なのは、『魅せる夜景』をデザインするよういかに心がけるかだ。
そこでどんな物語が動き出すのか、その予告をデザインに込める。
それは、照明を浴びたプロダクトが人の目にどんな風に映るのかを想像するのに似ている。
全体を観て、窓から漏れる光を、壁面のブラケットが照らす壁を意識する。
鎧張の板壁や木製サッシの木枠とウッドデッキなどの木質素材と、屋根や破風の金属との
バランスがいい按配になっているのかをイメージする。
或る建築家は、それを温度感と言った。
上手い表現だと思う。
日本語で書かれたいい小説は、漢字とひらがなとカタカナのバランスが良いと、或る小説家が言った。
これも上手い表現だ。
夜景は、それに似ている。
木と金属と窓の開き具合と照明の漏れ方のバランスをどう取るか、それがその家の夜のリズムとなり、
それは記憶の余韻となって、昼間の意匠に夜の残像として覆い被さる。
陶器のペンダントライトや真鍮のブラケットや表札も大事な小道具のひとつ一つだ。

デザインはイマジネーションから始まる。
すべてのイマジネーションは物語だ。だからこそ、夜景には幾千ものロマンが宿っている。




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